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子どもはどう遊ばせるべき?──コールマン日本創業50周年トークセッションから見えた「自然体験」と非認知能力

今年、日本での創業50周年を迎えるコールマンが、6月1日に教育・保育評論家である汐見稔幸氏と、モデル・女優・インフルエンサーとして活躍しながら5歳の子を育てるmai氏を招いたトークセッションを開催した。アウトドアブランドが提案してきたキャンプ文化と教育学の視点、そして子育て当事者の実感。それぞれの立場から語られた「自然体験」は、現代の子どもにとって何が必要かを浮かび上がらせた。

<目次>
1.「自然の中で子どもはどう育つのか
2.どう遊ばせるべきか」という問い
3.親が楽しむことが体験になる
4.自然体験を日常に取り入れるには

 

自然の中で子どもはどう育つのか


終始和やかなムードで行われた鼎談では、自然の中での子どもとの関わり方が主題となっていた

自然は、思い通りにならない現実だ。風や雨、暗闇や不便さの中で、子どもはその都度「どうするか」を自分で決めていく。
コールマンが提案してきたキャンプは、そうした環境に向き合うための体験でもある。火を起こし、テントを張り、状況に応じて判断する。その積み重ねが、主体性や責任感といった“生きる力”を育てていく
一方で汐見氏は、自然体験を「人間の根っこに関わるもの」と捉える。土の匂いや風の音、虫への戸惑いといった五感の経験は、知識になる前の感覚として身体に残り、その後の思考や感情の土台となる。
「できることを増やす」と「どう感じるかを深める」。この両方が重なることで、子どもは自分で世界に関わる存在へと変わっていく。

 

どう遊ばせるべきか」という問い

トークの中でmai氏が投げかけたのは、「子どもを自然の中でどう遊ばせればいいのか分からない」という率直な疑問だった。
これに対し汐見氏は、「基本は自由にさせること」と答える。
自然の中では、すべてが予定通りにはいかない。だからこそ子どもは、自分で考え、試し、失敗しながら学んでいく。そのプロセスこそが、主体性や判断力、レジリエンスといった非認知能力を育てる。
ただし、それは放任ではない。大人が先回りして答えを与えすぎず、失敗を許容すること。そして何より、「親自身が楽しむこと」が重要だという。
「親が楽しそうにしている姿を、子どもはよく見ています」
この言葉にmai氏も深く共感を示した。

 

親が楽しむことが体験になる

子どもに何かを“させる”のではなく、親自身が自然の中で楽しんでいる状態。その空気感が、子どもの安心感や興味につながる。
たとえば焚き火を囲む時間。特別な遊びを用意しなくても、子どもはその場の中で自分なりの関わり方を見つけていく。
コールマンが提案してきたキャンプは、こうした「余白のある体験」でもある。整いすぎていない環境だからこそ、子どもは受け身ではなく、自ら関わる存在へと変わっていく。


コールマンの日本上陸50周年を記念したアニバーサリーモデルたち

 

自然体験を日常に取り入れるには

今回のトークから見えてきたのは、特別な準備よりも関わり方の重要性だ。
・すぐに教えず、少し待つ
・失敗を許す
・親自身が楽しむ
・自由に過ごす時間をつくる
こうした意識の違いが、体験の質を大きく変えていく。
 
「どう遊ばせるか」という問いへの答えはシンプルだ。自由にさせること、そして親自身が楽しむこと。
自然体験は、何かを教える場ではなく、子どもが自分で育つための環境である。その中で育まれる非認知能力こそが、これからの時代を生きる力になっていく。
 

■汐見稔幸(しおみ としゆき)
教育学者。一般社団法人 家族・保育デザイン研究所代表理事。東京大学名誉教授、白梅学園大学名誉学長。全国保育士養成協議会会長、日本保育学会理事。
専門は教育学、教育人間学、保育学、育児学。子どもを一人の主体として捉える保育・教育のあり方を長年研究し、現場との対話を重ねながら「これからの保育・学校」の姿を提言している。
“どうすればよいか”だけでなく、“なぜそうするのか”を問い直す姿勢を重視し、保育者や保護者と学びを共有する活動にも力を注ぐ。
NHK Eテレ「すくすく子育て」「アイラブみー」などメディア出演も多数。

 


■mai
モデル・女優。
ファッションモデルを軸に、俳優として映画や広告、各種メディアに出演。Instagramでは約48万人のフォロワーを持ち、同世代の女性から支持を集める。
2019年に第一子となる女児を出産。現在は子育てと仕事を両立しながら、ママ世代の共感を集める発信でも注目されている。
2026年1月に旧芸名「わたなべ麻衣」から「mai」へ改名。コールマン日本創業50周年記念ムック本にもモデルとして登場。

 


■根本昌幸
ニューウェルブランズ・ジャパン合同会社コールマン事業部 マーケティング本部ディレクター。
1992年にコールマンに入社して以降、製品開発から広告/PR、プロモーションまで、あらゆるマーケティングやブランディングに携わり、コールマン・ブランドの成長を支える。趣味はキャンプとバイク。日本各地のキャンプ場を1200ccの愛車と共に巡り、そのキャンプ数は年間40泊にもおよぶ。最近は1級小型船舶免許も取得し、釣りにも挑戦中。


文:Kids Well-being編集部

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