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世界とつながり、ウェルビーイングを自ら作っていくための教育とは?【特別対談】

変化と多様性の現代で、世界に羽ばたく力を育てるためにはどんな教育が必要なのだろうか。国際的なビジネスの経験を経て、今は国内でインターナショナルな幼児教育・学校教育に携わっている、中川早智子さんと池田浩八さんの対談をお届けする。

池田浩八さん

輸入車ディーラー、八光エルアール株式会社代表取締役社長。英国名門校ノースロンドンカレッジエイトスクールの神戸校、『NLCS Kobe』を開校。
 

中川早智子さん

世界のさまざまな乳幼児教育現場で学び、帰国して外資系企業の人事として働いた後、2025年1月よりインターナショナルプリスクール『Pikkas』を東京・港区に開園。

 

――国際的なビジネス現場での経験を経て、
「日本で教育をやりたい」と思った理由やきっかけについて教えてください。

中川:海外の保育現場で、子どもたちが自分の考えをしっかり持っていることや、それを大人が尊重していることに驚きました。その後、外資系企業で人事を経験したのですが、採用面接では学歴・職歴など「何をしてきたか」ではなく、「それをなぜ・どのようにやってきたか」を聞くんです。自分で考え自分でやり遂げる力の基盤を、幼児教育で育てる必要があると感じました。

池田:僕もいろいろな国で子どもたちを見てきましたが、目の輝きや生命力の違いを感じます。あれは教育のどんな違いから来ているんでしょうね?

中川:思えば、日本の保育では 「正解」を与えていたような気がします。いろいろなプログラムがあったけれど、子どもに選ばせたり意見を聞いたりはしていなかった。だから、自分の「好き」や「やりたい」を考える機会が少なかったかもしれないな、と。

池田:確かに、僕も学校でやりたいことを聞かれた覚えがないです。受験まではそれでよくても社会に出たら「正解」が用意されてないから、自分で作っていかなくちゃいけないですもんね。

僕の場合は、外資系コンサルを経て家業の外車ディーラーになったんですが、世界中から人が集まる会議で、日本人は日本人だけで固まっちゃうことが多くて。なんでかなと思ったら、海外のディーラーたちはいろいろな国から人が集まるボーディングスクールや大学で学んでいて、既に世界中に友達がいたんですよ。そういう国際的なつながりを作っていく力が日本の教育にも必要だと思って、North Loncon Collegiate School(以下NLCS)の神戸校設立に乗り出したんです。

中川:なるほど。そういう国際的なつながりは、具体的にどんなふうに役立つんでしょうか?

池田:それぞれの国・業界の複雑な制度や事情があっても、信頼できる人の協力があったら入っていきやすい。だから、人と人とのつながりがあると、新しい国際ビジネスがどんどん生まれていくんです。
 

 

――変化と多様性にあふれる今の世界で生きていくために、
子どもたちの教育において大切なものは何だと思いますか?

中川:お話をお聞きしていると、人とのつながりはもちろん、「これをやろう」って考えて行動していく力も大切だと感じます。

池田:変化が激しい中では、自分で「問い」を立てて、自分で生きる道を見つける力が不可欠ですよね。僕も仕事でいろいろな人たちを見てきましたが、少なくともお金を持ってる=幸せではないな、と。経営者や医者になったら成功じゃなくて、経営者として何をするか、どんな医者になるかという、〝生き方〞を考えていくことがウェルビーイングにつながると思います。

中川:「人と比べない力」も大事ですよね。比べて幸せを測ろうとしても、モノサシがなくなってきているので。一方で、広い世界を見て「違いを知る」ということも大切だなと思うんです。フィンランドに行った時、自分が日本でやりたい保育について語ったら「それは普通でしょ?」って言われて、保育の常識の違いを実感したんです
よ。

池田:世界のいろんな国の人と話すことで、自分のこともわかるってありますよね。だからインターナショナルスクールって、自分や日本人のアイデンティティを理解するためにもいい環境だなと。それが成長につながるし、逆に「自分らしくあり続ける力」にもつながると思います。
 

Noth London Collegiate School Kobe

 

――それぞれのスクールの取り組みで、
特にこだわっているポイントを教えてください。

池田:1つは、やっぱり世界と触れ合うこと。『NLCS』は神戸を含む5ヶ国に姉妹校があるので、小学生の頃からシンガポール校に行って模擬国連をしたり、ロンドン校に行ってアートイベントをしたりして、お互いの価値観を学びながら世界中に友達が作れるのがいいなと思ってます。もう1つは僕の発案で、いろいろな分野の専門家と探究的な学びをしていること。医療、茶道、建築など、その道でイノベーションを起こしている人たちに「問い」の立て方を学ぶんです。子どもたちも本質的な質問をしていて、成長を実感しています。

中川:私の運営するプリスクール『Pikkas』は幼児が対象なので、一方的に知識を与えることよりも、自分で考えたり選んだりする力の基盤を育てることを重視しています。世界のいろいろな教育を取り入れながら、自分のやりたい遊びを選んで取り組む「選択保育」という手法を実践しているのですが、子どもが本当に好きなことに集中するためには、安心できる心地よい環境が大切。そのためには、子どもをサポートする大人たちの心が穏やかであることが不可欠なので、子どもと保護者と先生の「三方よし」の環境作りにこだわっています。

そういえば、2人ともインターナショナルスクールの運営をしているのに、「英語」の話は全然出なかったのが面白いですね。世界とコミュニケーションを取るには英語が必要なんですが、その先にあるものを考えることが重要なんだと、改めて思いました。

池田:そうですよね。英語は共用語として一番多く使われてるからやるってだけの話で、英語を使って何を学ぶか、何をするかっていうことの方が圧倒的に大事だと思います。
 

インターナショナルプリスクール Pikkas

 

――最後に、幼児~小学生のパパ・ママに向けて一言お願いします。

池田:僕も9歳と4歳の子どもがいますが、子育ても「正解」がわからないですよね。子ども自身が、自分の人生よかったなって思えるために何ができるかですから。今は新しい選択肢がたくさんあると思うので、常にアップデートしながら、一緒に悩んでいきましょう。

中川:私も自分の子育てには悩み続けていますが、なんで正解がないかと考えると、子どもたちは1人ひとり本当に違うんですよね。親ができることは、子どものいいところや苦手なことを誰よりも理解して、誰よりも応援するってことなんじゃないかなと思います。

――ありがとうございました!
 

インターナショナルプリスクール
Pikkasとは

2~6歳を対象としたプリスクール。フィンランド教育、モンテッソーリ教育、イエナプラン、レッジョ・エミリア・アプローチなど、世界のさまざまな教育を取り入れ、『こども・保護者・教職員の三方よし』をコンセプトに、英語環境での保育を行っている。
 

 

 

Adress: 東京都港区芝浦3丁目19-17 アンビエンテ芝浦 1階
問い合わせ:サステナブルエデュケーション


聞き手・文/征矢里沙

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Kids Well-being vol.03 2026年秋号より転載

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