子どもたちのより良いスポーツ環境を目指す「JFAみらい会議」が向き合う課題とは?
2026.05.28
サッカーを始めとしたスポーツは仲間と協力すること、自発的な行動、失敗しても挑戦し続ける強さなど、子どもたちに人間的な成長を促すことができる。そんな子どもたちを応援し、サッカーの環境をより良くするために「JFAみらい会議」が開催された。一体どのようなことが語られたのだろうか?
よりよい環境づくりを目指す
JFAみらい会議
より良いサッカー環境について日本サッカー協会(JFA)の関係者らが議論する「JFAみらい会議」が開催された。議題となるのは、JFA成長戦略及びサステナビリティ戦略やリスペクト・フェアプレー委員会が取りまとめた「U-18子どもパブリックコメント2025」であり、これらの議題から様々な課題が浮き彫りになっている。それに対し、宮本恒靖会長や元なでしこジャパン(日本女子代表)主将の宮間あやさんらは子どもたちのサッカー環境を改善する思いを訴えた。

パブリックコメントから見る
サッカー環境に対する課題
U-18子どもパブリックコメントは子どもたちのサッカーを楽しむ権利を守るために2022年から毎年実施されている。小学5年生から高校3年生を対象としており、当然、調査は匿名で実施し、個人が特定されることはない。2025年は374件が寄せられ、この声を参考に議論が繰り広げられた。
質問事項は多岐にわたり、サッカーが楽しいかという質問から、こうだったらいいのにという希望、そして楽しくするために増やすべきこと、減らすべきことなど掘り下げて質問が実施されている。その中で子どもたちがサッカーをより楽しむために必要な要素が以下のように浮き彫りとなった。
・暴力・差別等の根絶
・サッカーができる場所
・出場機会・登録移籍の改善
・環境配慮
・女子サッカー環境
子どもたちのアンケートの感想の一部には「サッカーもやりたいけど安全じゃないところではやりたくない」「スポーツをするうえでまず大事なのは安全だと思う」など、安全を危惧するような意見も見られた。
JFAが取り組む
サステナビリティ戦略
JFAは2031年までに3つのBIG GOALとして「競技面での成果」「女子サッカーの拡大」「社会的価値の創出」を大きな目標と掲げており、そのためにサステナビリティ戦略に取り組んでいる。今回、子どもたちが挙げたパブリックコメントを始めとしたJFAの課題の一部はサッカー界、ひいてはスポーツ界も抱えている問題であるとも言える。そして、こうした問題を生んでしまっているのは紛れもなく、社会や地球環境などにも原因がある。
そういった課題に取り組むことで、未来を担う子どもたちのサッカーができる環境づくりをJFAは目指している。
現在はUEFA(ヨーロッパサッカー連盟)と人権保護や人種差別の撲滅などに加え、温室効果ガス(GHG)削減などの環境保全や子ども・若者のセーフガーディングに取り組んでいる。

サッカーから社会全体へ
行動変容を生む戦略
JFAはよりよい環境づくりのためにサッカーの力で人々の行動を促し、その広がりで社会を変えていく「行動変容」を戦略の中心に据えている。そして、それを実際に可視化するために国際基準や社会課題を踏まえて策定した9つの注力テーマをベースに行動変容を測定していくと示した。
【環境】-PLANET-
①気候変動の緩和対策
②熱中症・落雷事故の予防
【人権】-PEOPLE-
③暴力・差別等の根絶
④子どもの体験格差解消
⑤ジェンダー平等
⑥共生社会の実現
【健康】-WELL-BEING-
⑦サッカーができる場所
【教育】-EDUCATION-
⑧夢を描く教育
【地域】-COMMUNITY-
⑨持続可能な地域コミニティへの貢献
行動変容を広げていくために外部連携と情報発信を推進の柱として取り組み、未来に担う子どもたちに今より良い状態で環境をつなぐことを目指していく。

登壇者たちの声
「今日から実行したいワンアクション」として、JFAの宮本恒靖会長を始め、今回の登壇者もまた環境の改善のための声を挙げていた。
宮本氏は「携わる関係者の名前を覚えること」と紹介し、こんなエピソードを紹介した。
「選手時代、試合中の一幕で審判をレフェリーと呼んでいた。すると審判から自分の名前ではなく3番※当時の背番号と呼ばれた。俺は宮本だ。名前で読んで欲しい。そう思った。次の試合では、審判の名前を覚え、レフェリーではなく、名前で呼んだ。すると3番ではなく宮本と呼んでくれた」と語り、他者へのリスペクトの大切さを教えてくれた。
JFA女子委員会の宮間あや副委員長は今日から実行したいワンアクションとして「顔をあげる」ことを発言。日々スマホに触れることで視野が狭くなり、なにかに気づくことが少なくなってしまう。さまざまなことに目を向けることを目標とした。

文:Kids Well-being編集部
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