立ち直る力は子どもでそれぞれ違う?個性で変わるレジリエンスの形
2026.08.18
非認知能力の1つとして注目を集めている、レジリエンス。前回はそのレジリエンスについて解説したが、ではこのレジリエンスを高めるためにはどうしたら良いのだろうか? 前回に引き続き、専門家の岐部智恵子先生に解説していただいた。
Kids Well-being Vol.01掲載記事を一部抜粋・再編集したダイジェスト版
1.子どもの個性で変わるレジリエンスの形
2.失敗と立ち直りを通してレジリエンスは育つ
子どもの個性で変わる
レジリエンスの形
「レジリエンスを単なる強さや、単純な回復力と考えると、誤解が生じます」と岐部先生。親はついわが子を他の子どもと比較してしまい、「失敗をいつまでも気にしてしまう⇒レジリエンスが低いのでは?」などと心配しがちだが、そうやって
「周りの価値観や評価に振り回される」こと自体が、子どものレジリエンスを低くしてしまうという。
例えば、1つの失敗を気にしてしまう子は、その分1つのことにこだわり抜けたり、自分が大事だと思うことを貫けるという「強み」があるかもしれない。わが子には失敗も恐れず、元気で明るく過ごす姿を無意識に期待してしまいがちだが、無理に「失敗を気にしてはいけない」と思うよりも、
自分の強みを生かして次につなげる方法を考える方が、自己肯定感も高まり、自信につながっていく。
岐部先生は、「たとえ回復に時間がかかったとしても、“レジリエンスが低いのでは”と焦る必要はありません。周りに流されず、次はどうすればいいのかじっくり考えて立ち直れるのであれば、それはその子らしいレジリエンスの形だといえるでしょう」と話す。
●周りの価値観や評価に振り回される
●失敗を他責にする、認めない

よくある勘違い
内向的、失敗を気にする、すぐに落ち込む
●周りに流されすぎない
●失敗を人のせいにしない

よくある勘違い
明るく元気、失敗を気にしない、めげない
失敗と立ち直りを通して
レジリエンスは育つ
では、「レジリエンスが低い」とはどういう状態なのだろうか。もし、自分の失敗を認められずに他責にしたり、「失敗するならやらなきゃよかった」と次の挑戦をしなくなったりするようなときは要注意。そうなってしまうのは、物事を見るときの軸が自分自身ではなく外にあり、他の人の評価や価値観ばかりを気にしているからだ。「賢い子」と評される子どもほど、親の視線や評価に敏感になり、望まれるようにふるまう傾向がある。しかし、
この時期にいろいろな失敗をして、そこから自分なりに立ち直る経験を重ねていくことが、レジリエンスを育んでいく。
「成功することが正解という価値観が社会にあり、子どもたちもそれを無意識のうちに内面化しています。同時に“失敗は悪いこと”とインプットされてしまうと失敗が怖くなり、一歩踏み出すことができなくなってしまいます」と岐部先生。
もし子どもが失敗してしまっても、「チャレンジすることが素晴らしい」と、
結果よりもプロセスを認めてあげることが、レジリエンスを高める第一歩。失敗も成長のチャンスと思える環境をつくってあげよう。

岐部智恵子先生

桐蔭横浜大学現代教養学環教授。一般社団法人日本ポジティブ教育協会理事。お茶の水女子大学大学院博士後期課程人間文化創成科学研究科修了、博士(人文科学)。イーストロンドン大学大学院応用ポジティブ心理学修士課程修了。専門は発達精神病理学、ポジティブ心理学。
文/藤城明子
※この記事は、Kids Well-being Vol.01掲載記事より一部抜粋したダイジェスト版です。
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Kids Well-being VOL.1(2026年春号)より転載
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