【注目の非認知能力】子どものレジリエンス(立ち直る力)とは?
2026.04.15
今、非認知能力の1つとして注目を集めている、レジリエンス(立ち直る力)。ストレスの多い環境や困難な場面で落ち込むことがあっても立ち直る力こそが、これからの時代に必要とされている。
今回は2026年3月9日に発売された『Kids Well-being』VOL.01から、レジリエンスについて解説した記事の一部を紹介する。
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「レジリエンス」とは?
「リスク下においても良い適応を遂げるプロセス、能力、結果」。1970年代にアメリカの心理学者が、困難な家庭でもポジティブな成長を見せる子どもが一定数いることから、その概念を明らかにした。改めて1990年に発達心理学者によって定義されたが、その後研究が重ねられ、現在はより幅広い定義づけが進められている
予測不能な未来にも
立ち向かえるスキル
親なら誰しもわが子にはいつでもトラブルなく、健やかに過ごしてほしいと願うもの。そう思ってはいても、家の内外で受けるストレスや友達とのトラブル、さらにはコロナ禍のような予想外の災害の発生など、子どもにとって辛い出来事を避けることは難しく、ウェルビーイングを実現するための障害は日常生活の中にも常に存在している。
予測不能な時代を豊かに生き抜くために注目されているのが、「レジリエンス」という非認知能力だ。「回復力」「弾力性」「復元力」などと訳されているこの言葉は、「逆境にあってもそれを乗り越え、立ち直ることができる力」だと考えられている。これは、かつて困難な家庭環境にある子どもを調査していた発達心理学の研究者が、その中で良好に発達・適応を遂げた子どもたちについて「Resilient Children(レジリエント・チルドレン)」と表現したことに由来している。
OECD(経済協力開発機構)では、21世紀を生き抜くための必要なスキルとしてレジリエンスをピックアップ。非認知能力の1つとしてもとらえられており、子どもの良好な発達にポジティブに働く能力だといって間違いないだろう。
「レジリエンスとは、これだけ変化が激しく、先行きが不透明な時代においても自分らしい生き方ができる体力や底力のようなものだと考えています」と語るのは、発達心理学やポジティブ心理学を専門とする岐部智恵子先生。
ここで重要なのが、「自分らしい生き方」という点。「レジリエンスの高い子ども」といえば、明るく元気でタフなどもだととらえられがちだが、例えばくよくよする子どもは、1つのことにじっくり取り組む力を備えているともいえる。その個性は否定せず、「その子らしいレジリエンス」を伸ばすことが大切だ。
「レジリエンスのあり方は多様で、こういうものだと簡単に決められるわけではありません。その子らしさを活かせるレジリエンスの形を見つけ、家庭で育てることが大切です」。
「レジリエンス」と「タフネス」
どう違うの?

落ち込みから回復できる力
「タフネス」は、「頑丈さ」や「精神的な強さ」と定義されることが多い。目の前に困難な状況があったとしても、“折れない・落ち込まない”というメンタリティが「タフネス」だといえるだろう。それに対し「レジリエンス」は、つらい体験や失敗、病気、家庭不和などの困難な状況に対し、時には折れたり落ち込むことがあっても、そこから“回復できる”力を指している。
「レジリエンス」は
どうして大切なの?

レジリエンスが低いと…
今は小さな子どもも、成長していく上で困難な時期は必ず訪れる。レジリエンスが低いと、そうしたストレスに直面した時に無理に自分を合わせようとして、より精神的に負担がかかったり、ダメージからうまく回復できず、前に進めなくなるケースも。「レジリエンスが低いと、失敗を悪いことだと思い、過度の自責や他責に陥ってしまったり、自信がなくて新しいことに挑戦できない苦しさもあります」と岐部先生。
教えてくれた人
岐部智恵子先生

桐蔭横浜大学現代教養学環教授。一般社団法人日本ポジティブ教育協会理事。お茶の水女子大学大学院博士後期課程人間文化創成科学研究科修了、博士(人文科学)。イーストロンドン大学大学院応用ポジティブ心理学修士課程修了。専門は発達精神病理学、ポジティブ心理学。
文/藤城明子
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『Kids Well-being』では今回ご紹介した子どものレジリエンス(立ち直る力)を育てる方法を始め、親子で始めるマインドフルネス入門、子どもの心と身体を守るために知っておきたい安全・防犯対策、子育てを支えるウェルビーイングな取り組み最前線など、専門家・有識者に取材した確かな情報をお届けしている。気になる方は要チェックだ。
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Kids Well-being VOL.1(2026年春号)より転載
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