夏休みは避暑地・蓼科へ!森の循環を学ぶ「親子向け環境学習プログラム」を体験
2026.08.07
子どもの夏休み。せっかくなら遊ぶだけでなく学びにつながる体験もさせたい。そんな親子におすすめなのが「東急リゾートタウン蓼科」で開催される環境学習プログラム『森と水の自由研究ツアー 蓼科で学ぼう、循環のひみつ』だ。編集部もその魅力を体験してきた。
1.【TENOHA蓼科】木を伐ると森が育つ? カラマツから考える森の循環
2.【AnimaLOOK!!】小さな生き物の目線になると、いつもの森が違って見える
3.【土場・バイオマスボイラー】間伐されたカラマツが燃料となり、建材となる
4.【蓼科の食と循環】野菜くずが土に戻り、新しい野菜を育てる
5.【まとめ】森で見つけた小さな「なぜ?」が夏休みの学びを日常へつなぐ
【TENOHA蓼科】
木を伐ると森が育つ? カラマツから考える森の循環
「東急リゾートタウン蓼科」の敷地内には整備された美しい森が広がる
長野県・蓼科高原に広がる「東急リゾートタウン蓼科」。約660ヘクタール(東京ドーム約140個分)の広大な敷地に、ホテルやゴルフ場、スキー場、アスレチックなどを備える一大リゾートだ。標高が高く、夏でも涼しく過ごせることから避暑地としても人気を集めている。
自然共生を経験できる体感型サステナブルリゾート。森の魅力を満喫できるアクティビティが充実する
今回参加した『森と水の自由研究ツアー 蓼科で学ぼう、循環のひみつ』は、「東急リゾートタウン蓼科」の広大な自然を舞台に、森や水の循環について親子で楽しく学べる環境学習プログラム。レクチャーだけでなく、実際に森へ入り、五感を使って自然を体験しながら学べるのが特徴だ。
ツアーは、現地スタッフと一緒に森の役割や循環について学ぶことができる。
クイズ形式のやりとりに思わず熱くなる子どもたち。真剣な眼差しが印象的だった
森を守ると聞くと、「木を伐らず、そのまま残すこと」と考えがちだ。しかし、手入れをせずに放置した森は荒れ、土砂災害のリスクを高めることもある。プログラムでは、実際にタウン内で森を観察し、過去に起こった土砂災害なども例に挙げながら、森を適切に手入れする大切さを学んでいく。
「なぜ木を伐らないと、土砂災害が起こると思う?」
案内役が子どもたちに問いかけると、「木が倒れるから!」「水が流れちゃうから?」と、思い思いの答えが飛び交う。クイズ形式でやり取りを重ねながら、森の仕組みや役割への理解を深めていく。
黄金色に色づく秋には、紅葉狩りの旅行者で賑わう
蓼科で多く育つのは、日本固有種の落葉針葉樹であるカラマツ。秋には葉が黄金色に色づき、「カラマツゴールド」と呼ばれる美しい景観を生み出す。東急リゾートタウン蓼科(※1)では、カラマツを「伐る・加工する・届ける・育てる」という循環の中で生かしており、この取り組みは「蓼科カラマツ」と名づけられている。
「木を伐ることは、森を壊すことではなく、森を育てること」。実際に森へ入ると、木々の間から差し込む光や足元に育つ草木から、手入れされた森の姿を体感できる。こうして得た学びは、没入型VRコンテンツ「AnimaLOOK!!」(※2)でさらに理解が深まる。
※1:東急リゾートタウン蓼科は2026年、第25回日本エコツーリズム大賞「環境大臣賞 特別賞」を受賞。
※2:没入型VRコンテンツ「AnimaLOOK!!」の売上の一部は、環境保全や調査活動に活用される。モーションシートを使用するため、体験は身長110cm以上が対象。
【AnimaLOOK!!】
小さな生き物の目線になると、いつもの森が違って見える
VRで写しだされる鮮やかな森の映像のワンシーン。臨場感たっぷりで、迫力満点だ
2026年4月24日にオープンした新しいVRアトラクションで、小さな生き物の視点から蓼科の森を見つめ直すことができる。現地で得る学びを、さらに深めてくれるのだ。
準備万端でいまかいまかと開始を待つ子どもたち。ワクワクを抑えきれない様子が微笑ましい
専用のゴーグルを装着し、モーションシートに座ると、自分の体が小さくなったように感じる。昆虫や小動物など、森に暮らす生き物の視点から、木々の間や葉の裏、地面近くの世界を巡り、鳥の背中に乗って空を飛ぶ場面では、子どもたちから「わーっ!」と歓声が上がった。
人間にとっては何げない葉の隙間や木の根元も、小さな生き物にとっては、身を隠し、食べ物を探し、命をつなぐ大切な場所となる。
VRを体験したあと外の森を歩くと、「この葉の下にも何かいるかもしれない」「足元にも生き物の痕跡があるかも」と、森を見る視点が変わる。もう一度、目の前の森をじっくり観察したくなる。そのきっかけを作るのが、「AnimaLOOK!!」の魅力だ。
愛くるしい見た目で、子どもたちからも人気の「イーパレット」。ツアー中もタイミングによっては、乗れることがあるかも。
タウン内を循環移動する、トヨタ自動車が開発した次世代モビリティサービス&バッテリーEV「e-Palette(イーパレット)」(※3)。大きな窓越しに森を眺めながら、環境に配慮した未来の移動を体験できる。
※3:今回のツアーの過程には、基本的にイーパレットの乗車予定は組み込まれておりません
【土場・バイオマスボイラー】
間伐されたカラマツが燃料となり、建材となる
伐採されたカラマツが積み上げられた土場
次に訪れたのは、伐採したカラマツを集める土場だ。節が多い木や曲がった木、細い枝などはウッドチップに、太くまっすぐな木は家具や建材として活用される。
ウッドチップに加工されたカラマツ
作られたウッドチップは、敷地内のゴルフ場にあるバイオマスボイラーへ。燃料として燃やされ、そこで生まれた熱が大浴場のお湯を沸かしている。
ウッドチップを燃料とするボイラーは、コンピューターによって管理されている
さらに、燃焼時の排ガスから二酸化炭素を回収し、固体化する装置も導入。木をできるだけ無駄なく使いながら、CO2の排出量を上回る吸収量を目指す「カーボンマイナス」にも取り組んでいる。
森で育った木が、暮らしを支えるエネルギーとして活用される。その一連の流れを見ることで、「木を使うことが森を育てることにつながる」という考え方を、より具体的に理解できた。
メゾネットタイプの寝室。内装の至る所に気の温もりが感じられる
「伐ったカラマツは、他にはどんなふうに使われるのだろう」。子どもたちからのそんな疑問への答えの一つが、蓼科東急ホテルの客室「カラマツクラシック」だ。
室内には、蓼科産のカラマツを使ったベッドのヘッドボードやデスク、壁面のアートが置かれている。他にもカラマツの葉や枝から抽出したアロマオイル、カラマツを使ったお茶、オリジナルのシャンプーやボディーソープも用意され、木の香りや手触りを五感で味わえる。
ハリウッドツインのシャワー室。シャンプーなどのアメニティもカラマツが使われている
土場で見たカラマツが、家具やアメニティとして客室に生かされている。森で育った木が暮らしの中でどのように使われるのか、その循環を身近に感じられる空間となっている。
【蓼科の食と循環】
野菜くずが土に戻り、新しい野菜を育てる
自らの手で野菜を収穫することも、いまや貴重な体験だ
蓼科では、森だけでなく、食の循環にも取り組んでいる。ホテルのレストランから出る野菜くずなどは、生ごみ処理機で微生物によって分解され、土のような状態になる。
生まれた堆肥は、敷地内の菜園や近隣の提携農家で活用され、育った野菜が再びレストランへ届けられる。この取り組みは東急不動産グループが運営するホテルの全国18施設でも実施されており、5か月で約10トンの廃棄物を削減、約2トンの堆肥を生み出したという。
菜園では、農薬にできるだけ頼らずに野菜を育てるため、虫が好む草花を畑の外側に植える工夫もしている。収穫した野菜を隣接するバーベキュー場で食べ、残った野菜くずは再びコンポストへ戻される。
「食べたら終わり」ではなく、食べることも循環の一部であることを、体験を通して実感できる取り組みだ。
お絵描き感覚で楽しめるピザ作りに、思わず笑顔がこぼれる
オプションでは、敷地内の菜園で育てた野菜やハーブを使ったピザ作りも体験できる。自分たちで収穫した食材を生地にのせ、焼きたてをその場で味わう。
「フードロス」や「資源循環」といった少し難しい言葉も、焼きたてのピザのおいしさと結びつくことで、ぐっと身近な学びになる。
オリジナルのハーブウォーター作りも楽しむ様子
ツアー参加者は、自分で作ったハーブウォーターをオリジナルのタンブラーに入れ、お土産として持ち帰ることができる。このタンブラーは、バイオマスボイラーで木質チップを燃焼する際に発生したCO₂を回収・固体化した素材を用いて作られたものだ。
排出するCO₂と吸収するCO₂の量を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」にとどまらず、さらに排出量を減らす「カーボンマイナス」について考えるきっかけにもなる。
ツアー収益の一部は、環境保全や調査活動に還元される。タンブラーで水を飲むたびに、ツアーで学んだカーボンマイナスや、体験が環境保全活動につながる仕組みを思い出すことができる。
【まとめ】
森で見つけた小さな「なぜ?」が夏休みの学びを日常へつなぐ
森の仕組みを知るうちに、子どもたちの表情も真剣に。体験を通して学びを深めていく
今回の体験では、森で育ったカラマツの木が伐られ、家具やエネルギーとして使われ、再び森や地域へつながっていく循環をたどった。
親子向け環境学習プログラム「森と水の自由研究ツアー 蓼科で学ぼう、循環のひみつ」は、環境問題の正解を覚えるためのものではない。実際に見て、触れて、「なぜだろう?」と自分で考える。その体験が、きっと子どもたちの学びを深めてくれるはずだ。
さまざまな体験を楽しみ生き生きとした表情に。自分で採ったハーブは、きっと特別な味がする
「木を伐ることが、なぜ森を守ることになるの?」「野菜くずは、そのあとどこへ行くの?」「動物にはこの森がどう見えているの?」。そんな疑問の一つひとつが、夏休みの自由研究の題材になる。
そして大切なのは、旅行が終わったあとの日常だ。近所の公園で落ち葉を見たとき、家庭で野菜くずが出たとき、お風呂のお湯につかったとき、持ち帰ったタンブラーで水を飲むとき。ふと、蓼科で見た森の光景を思い出すかもしれない。
夏休みの旅行で持ち帰るのは、写真やお土産だけではない。身近な木や食卓に並ぶ野菜を、これまでとは少し違う視点で見られるようになること。それこそが、蓼科の森で親子で見つけた、もう一つのお土産なのだ。
編集協力:東急不動産株式会社
文:脇谷美佳子
RANKING
MAGAZINE
PRESS





