【世界の最新教育事情】子どもの防犯・安全対策、海外ではどうしてる?
2026.09.10
各国の現地ライターが、世界の最新事情をお届け! 今回の共通テーマは「防犯・安全対策」です。自転車の交通ルールや登下校、性教育、防犯対策など、世界の子育て事情をピックアップします。
幸せで安全な子どもサイクリストを
育てることが大人の役割
From DENMARK

通称「交通遊び場」で自転車の乗り方を練習する子どもたち。
コペンハーゲンは通勤・通学の62%が自転車で、主要道路のほぼすべてに自転車専用道がある。また、小学生もおよそ半数が自転車で通学しており、子どもたちも右側通行、ヘルメットの着用、停止・曲がる時の合図、二段階左折、歩道での自転車走行の禁止、ライトの点灯などさまざまなルールを守る必要がある。自転車トレーニングは保護者の裁量だが、子どもたちが自転車の乗り方を練習したり、ルールや交通安全について学んだりできる遊び場があり、スタッフから乗り方のアドバイスを受けることもできる。

コペンハーゲンは「世界で最も自転車に優しい都市ランキング」で常に上位を維持している。 ©Copenhagen Stock / Shutterstock.com
文/海野アユミ
子どもを家に1人で残すのは
ネグレクト!?
From USA

1981年の幼児誘拐殺人事件をきっかけに、幼い子どもは自分を守る力が弱く、監督なしでは危険にさらされやすいことを社会に強く印象づけた。
ロサンゼルスでは、7歳以下の子どもを1人で家に残すことは推奨されていない。長時間放置すると家庭内事故や緊急時の対応ができない危険や、育児放棄の可能性があるため。場合によっては児童保護サービスが介入し、ネグレクトとみなすこともある。違反すると警告や家庭訪問、一時的保護などの措置がとられることも。近隣住民や通行人からの通報も多く、共働き家庭では、学童やベビーシッターを利用して安全を確保するのが一般的。
文/大山真理
幼稚園から高校までを対象に
新しい性教育プログラムが開始
From FRANCE

フランスのボルヌ教育相。 ©Antonin Albert / Shutterstock.com
幼稚園から高校までの義務教育で行われる新たな性教育プログラム「EVARS」が今年9月の新年度から始まった。原案から保守派と革新派の間で多くの議論が起こり、幾度の改訂と審議を経て実現にこぎつけた。男女間の敬意・平等・尊厳、ハラスメント・差別・ジェンダーに基づく暴力の撲滅を掲げる。幼稚園と小学校を第一段階、中学と高校を第二段階に分け、前者では自らの身体と感情、同意の表現を、後者では性と健康、性暴力を学ぶ。
文/守隨亨延
ポケットに防犯対策用トラッカー
From NETHERLANDS

外で遊ぶ時にはポケットに位置情報トラッカーを入れて。 ©Wirestock Creators / Shutterstock.com
昨年、オランダで幼児連れ去り事件が起きたことを発端に、子どもの鞄や洋服のポケットなどに位置情報トラッカーを入れておく親が増えている。鍵やバッグなどの持ち物の紛失防止用トラッカーを応用する親も。オランダは公園や芝生など子どもたちが外でのびやかに遊べる空間があちこちにあり、比較的治安が良い印象がある一方で、小さな子どもを持つ親にとって、水難事故対策に次いで防犯対策も近年の課題となってきている。
文/米屋香林
キックボードでグループ登校
From GERMANY

(左)小学生に人気の移動手段、キックボード。(右)小学校前のキックボード置き場。盗難もあるため、鍵をつけるのは必須。
6、7歳で就学するドイツでは、徒歩、キックボード、自転車、バスなどで登校することが自治体と学校から求められている。特にキックボードは、歩道を走れるので、自転車よりも安全だと小学生から人気。一部、車で送迎する家庭もあるが、子どもが交通ルールに慣れない、学校周りが混雑する、という懸念点から推奨されない。最初は友達グループに保護者1名付きで、小学2、3年生からは友達のみで登校する場合が多い。下校は人それぞれだが、親や祖父母が迎えに行き、習い事に連れて行く場面も見られる。
文/町田文
14歳までは子どもを放置しないよう
法律で義務付け
From ITALY

お迎えが義務なので、下校時には保護者たちが学校周辺に集まり大混雑。近隣の道路を一時封鎖したり、警察が交通整理に入ったりすることも。
イタリアでは、基本的には14歳以下の子どもを保護者なしで行動させることは法律で禁じられており、違反すると懲役刑が科せられる場合も。小学校では保護者による送り迎えが義務付けられており、迎えが来るまでは子どもを学校から出さない仕組みだ。そんな中、家族愛の強いイタリアでは、共働きで送り迎えできない親の代わりに祖父母や親戚が子どもの面倒を見ていることが多い。中学生(12歳以上)は学校側の判断により1人で通学が認められるようになるが、その際にもスマートフォンのGPSやアプリなどで子どもの居場所をチェックする親もいる。
文/田中美貴
「水着のゾーンはパーソナルな部分」
フィンランドの保育園の性教育
From FINLAND

わざと下品な言葉を言う子どもたちにも「トイレでお話ししなさい」と指導。子どもたちの興味には理解を示しつつも毅然とした態度で臨む。
オンラインゲームなどで匿名の大人からのアクセスにも応じてしまう危険が生じるのは、5~6歳ぐらいから。無邪気な子ども同士の遊びの最中でも、思いがけず不快な性被害や加害が生じる危険もある。フィンランドの保育園では、水着で隠れる部分はプライベートな部分と教え、触らないように指導している。トイレには体の部位と名前を示すポスターが貼られ、子どもたちに、学びながらプライベートゾーンのリマインダーになるよう使われている。
文/靴家さちこ
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Kids Well-being VOL.1(2026年春号)より転載
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