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持続的な幸せのヒントとなる“ポジティブ心理学”とは?レジリエンスとウェルビーイングを高めるポイント

逆境にあってもそれを乗り越え、立ち直ることができる力「レジリエンス」は現在注目を集める非認知能力の一つだ。そのレジリエンスを扱う学問分野でもある、「ポジティブ心理学」が注目を集めている。今回はその「ポジティブ心理学」について専門家に解説していただいた。

Kids Well-being Vol.01掲載記事を一部抜粋・再編集したダイジェスト版

持続的な幸せのヒントとなる
ポジティブ心理学

ポジティブ心理学とは、1998年にペンシルベニア大学のセリグマン博士が提唱。1人ひとりの人生や組織・社会のあり方が、本来あるべきよりよい方向に向かう状態に注目し、そのための諸要素について科学的アプローチを用いて研究する学問だ。

よく「ポジティブシンキング」と混同されることがあるが、まったく異なる用語。ポジティブシンキングはどんな物事もポジティブに考えるという思考法だが、個人の価値観や経験に左右されやすく、効果には個人差がある。それに対してポジティブ心理学は、持続的な幸福ウェルビーイング」のためにできることを、社会科学や自然科学の統計データなどをもとに研究する学問。ネガティブな感情も、無理に排除するのではなく、どのように受け入れれば幸せを感じられるかが研究されている。近年では教育やビジネスでも積極的に取り上げられており、カウンセリングやコーチング、セラピーなどでも活用されている。

レジリエンスを高めて
ウェルビーイングを実現

「ポジティブ心理学では、ウェルビーイングを実現するための“パルマの理論”という考え方があります」と岐部先生。この理論では、ウェルビーイングは以下の5つの要素から構成されると考えられている。

「ポジティブな感情」(Positive Emotion)
「エンゲージメント(何かに没頭する感情)」(Engagement)
「人間関係」(Relationship)
「人生の意味」(Meaning)
「達成感」(Achievement)
PERMA(パルマ)の理論

「レジリエンスとこの“パルマ理論”はつながっており、幸せで充実した人生を送るためには、この5つの要素やレジリエンスをバランスよく高める必要があります」。安定した環境の下、自分を受け入れてくれる人に囲まれながら育つ幼少期は、この「パルマ理論」が示す要素を育むための大切な時期。この時期には、成長後も心身ともに健康で、生き生きとした人生を送るためのウェルビーイングを実現するレジリエンスを育みたい。そのためには、親は時には声をかけ、時には失敗を共有しながら、その子の個性に合わせたレジリエンスを見つける必要があるだろう。
 

 

レジリエンスの土台を育てる
ポジティブ心理学のワーク

親子で日常的にレジリエンスとウェルビーイングを高めることに役立つポジティブ心理学を実践するにはどうしたら良いだろうか? その実践方法を岐部先生に教えてもらった。

その日あった「いい事」を報告する
「Three Good Things」

子どものポジティブな気持ちを育むためにおすすめなのが、「スリー・グッド・シングス」というワーク。1日の終わり、例えば寝る前に、その日あった3つのいいことを挙げる習慣だ。就寝前に「よかったこと」「嬉しかったこと」を思い出すことで、ポジティブな気持ちで1日が終えられると同時に、親にとって「わが子にとっての嬉しいこと・いいこと」を知るチャンスにも。子どもの個性をより深く知るための貴重なひと時となるだろう。
 

 

子どもの気持ちを遊びの形で表現
「5minutes play」

落ち込んでいる子どもに何があったか聞き出そうとしても、感情を言語化するのが苦手な子もいて、言いたいことが言えるとは限らない。そんなときは「今から5分間を、〇〇ちゃんだけの時間にしよう」と声をかけ、親子で遊ぶ時間にしてみよう。子どものやりたい遊びを通して、時にはぬいぐるみの姿を借りたりして、子どもがその日あった嫌なことを表現できることも。「それは嫌だったね」と感情に寄り添うことも忘れずに。
 

 

岐部先生からのメッセージ

子どもにとって家庭を安心できる場所にすることが、レジリエンスを育むための大事なステップです。ただ、親子ががっちりとくっついて離れないのではなく、“程よい距離感”も大切。夫婦で分担したり、保育士さんや先生など他の人にも頼ることで、状況を俯瞰で見られる心の余裕を持てるようにしていきましょう。

 

教えてくれた人

岐部智恵子先生
 

 
桐蔭横浜大学現代教養学環教授。一般社団法人日本ポジティブ教育協会理事。お茶の水女子大学大学院博士後期課程人間文化創成科学研究科修了、博士(人文科学)。イーストロンドン大学大学院応用ポジティブ心理学修士課程修了。専門は発達精神病理学、ポジティブ心理学。


文/藤城明子

※この記事は、Kids Well-being Vol.01掲載記事より一部抜粋したダイジェスト版です。
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Kids Well-being VOL.1(2026年春号)より転載

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