
2022.05.24
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子どもの「将来のために」「よかれと思って」している助言やしつけ。実は子ども本人にとっては苦痛なもので、場合によっては健全な発達に悪影響をおよぼす「教育虐待」となることも。
「教育虐待」という言葉自体は法律に明確な定義がないものの、教育の名のもとに子どもへ過度なプレッシャーをかけたり、心を追い詰めるような言動は「心理的虐待」に該当し得る※という。
※参照:塾選ジャーナル「教育虐待とは?“教育熱心”との境界線【教育評論家 親野智可等先生監修】」
日々子どもと向き合う中で、ふと「これって教育虐待かも……」と悩む保護者も少なくない。今回は、塾選びサービス『塾選』が行った教育虐待についての調査・考察をもとに、教育虐待の境界線と対策を紹介する。
出典:「塾選ジャーナル調べ『教育虐待』についての調査」
塾選びサービス『塾選』が実施した保護者500名への調査では、3人に1人(35.8%)が「自分の発言や行動が教育虐待にあたるかもしれないと不安を感じた経験がある」と回答した。それは一体どんなときなのだろうか。
例)
「脅し文句を言ってしまった『これ(宿題など)をしないと○○しないよ』などと脅すような言い方をしてしまった。」(栃木県・小学3年生保護者)
「なかなか宿題をしようとしないため、やるまで○○買ってあげない、と制限をつけてしまう。」(静岡県・小学3年生保護者)
例)
「テスト期間中に勉強量が足らない気がして『今やらないと時間ないよ!』などと焦らすことをいってしまった。」(和歌山県・中学1年生保護者)
「家庭学習で無料プリントを印刷し、1日何枚が目標と言いながら、できなかった日は『学校についていけなくなるよ』と強めに言ってしまった。」(愛知県・小学3年生保護者)
例)
「普段宿題もやらずに遊んでばかりいたので、勉強はやったのか、早くやりなさいと強制してしまった。」(茨城県・中学2年生保護者)
「本人が宿題をせずに長時間遊んでいるのを見てキツく叱り飛ばす時。怒鳴ってしまったとあとで反省した。」(大阪府・中学1年生保護者)
例)
「自分の思いや考えを子どもに思い通りにさせようとしていること。 」(京都府・小学6年生保護者)
「子どものためにと思い、勉強面や生活面で指示を出してしまい、思い通りにさせてしまったと思ったことがあります。」(奈良県・中学2年生保護者)
例)
「褒められなかった。テストで頑張ってある程度の点数が取れたのに、褒めずに『もっともっと』と言ってしまう。」(栃木県・中学1年生保護者)
「子どものことをほめず、『なんでこのくらいできないのか』と叱責してしまう。」(奈良県・小学3年生保護者)
いずれも、わが子が勉強についていけなくならないように、後で困らないようにという親心から、やるべきことをやらずに過ごしている子どもに対してイライラしてしまい……という状況に起こりがちのようだ。
「周囲の人の発言や行動で、“それは教育虐待では…”と感じたことがあれば、具体的に教えてください」という質問に集まった回答からは、保護者が「教育虐待に近い」と考える3つの共通点が明らかに。
例)
「子どもの進みたい進路を無視して、親の進ませたい進路に子どもを進ませている。」(群馬県・中学1年生保護者)
「子どもが希望していないのに受験すること。」(愛知県・小学6年生保護者)
「公立中学に行きたいと言ってる子どもが受験塾に通わされている。」(東京都・小学4年生保護者)
子どもが望んでいない進路・習い事・塾通いなどを、保護者の期待や価値観を基準に進めてしまうケースが当てはまるようだ。
例)
「100点以外は認めない。100点を取って当たり前な家庭。」(大阪府・小学6年生保護者)
「テストの点数が90点以下だと家に入れない。」(群馬県・小学5年生保護者)
「テストでいい点を取らないと怒られること。」(大阪府・中学2年生保護者)
テストの点数や順位に関しての過度なプレッシャーと叱責については、教育虐待を疑う声が多い。
例)
「テストが悪いと1ヶ月友達と遊ぶのを禁止している。」(福井県・中学2年生保護者)
「子どもの遊ぶ時間を減らして、勉強ばかりさせること。」(滋賀県・小学1年生保護者)
「課題を終わらせるまで食事を与えない。」(東京都・小学1年生保護者)
遊び・休息・食事・睡眠といった生活に必要な時間や行動を制限することで罰を与える行為も、程度によっては教育虐待が疑われる。
親が感じる、教育虐待への「境界線」を超えた行動の共通点・エピソードを見て、ドキッとしている保護者も少なくないのではないだろうか。「もしかして自分も教育虐待をしてしまっているかも」と不安を感じたときには、どう対策したらいいのだろうか。
調査をまとめた『塾選ジャーナル』は、まずは自分の行動を振り返ることが大切だとし、3つの振り返りポイントを提示している。
●子どもが「嫌だ」「疲れた」と言ったとき、その気持ちを受け止められていたか
●「将来のため」と言いながら、保護者の理想を優先していなかったか
●子どものペースや状態を無視して“成果”だけを追い求めていなかったか
●子どもを急かしたり煽ったりした言葉は、保護者自身の不安から出ていなかったか
●「もっとできるでしょ」という期待が、子どもへの否定に変わっていなかったか
●テストの結果に一喜一憂しすぎて、努力を認める余裕を失っていなかったか
●睡眠・休息・遊びなどの子どものやりたいことが奪われていなかったか
●勉強のために「生活の質」を犠牲にさせていなかったか
●気持ちが落ち込むほど、強い否定や比較を続けていなかったか
ちょっと強く言い過ぎてしまったかもしれないと不安になったら、これらの3つのポイントにそって振り返ってみよう。
わが子のことを思うばかりに、親が正しいと思うことをさせたくなったり、誘導したくなってしまうことは少なくないだろう。勉強や習い事、生活において気になる点があったときは、一呼吸置いて、子どもの意思を尊重できているかという視点を忘れていないか、考えるようにしたい。
〈調査概要〉
・調査対象:小学生または中学生の子どもをもつ保護者(有効回答数500名)
・調査時期:2025年10月
・調査機関:自社調査
・調査方法:インターネットを使用した任意回答
・調査レポート名:「教育虐待」についての調査
※出典「塾選ジャーナル調べ:『教育虐待』についての調査」
文:Kids Well-being編集部